へへ…国の無くなったお姫様と、それでも主人を見捨てない従者様か。
こんなになっても忠誠を見せるとは見上げたもんだが…俺達にはなんでそこまで尽くすんだか、分からんねぇ…。
貴様らの心は国王を勝手に名乗り始めた、あの裏切り者と同じ…。だから、一生分からんだろうよ。
全てを利のみで判断する…心の浅いお前らにはなっ!
ほほぉ…言うねぇ。ま、そのおかげで俺達は今…こうしてお前達の上に立てたわけだがな。
あんまり暇だからって、ただぼんやりしてると足を掬われるぞって御主人様に教えてやれよ…もう、手遅れだけどな。
こ…この方々は何を言っているのですか?この方々は確か…お父様の…。
なのに何故…私にこのような…。早くこの枷を取る様にこの方々に言ってやってください…手が…痛いですっ…。
姫様…この国はもう…奴等の手に…。
そ…そう言われましても私、貴女に言われるまま連れて来られて…何も聞かされておりませんし…。
どうしてこの様になったのかも…。それで、お父様に何かあったのですか…?
どうだい、従者様…コレでもアンタの御主人は尽くすに値する女なのかい?
こんな抜けた奴等に、一つの国を治める力なんてあるわきゃねぇんだ…俺達のボス…いや、国王陛下の方がずっとその地位に相応しい…。だろ?
下賤がっ!口の利き方を少しは気をつけろっ!!今まで誰のおかげで…!
…その誰かさんのおかげで苦労させられ続けてなぁ。贅沢な王宮で仕事した後、掘っ立て小屋みてぇな家に帰る気持ち…分かるか?
どんなに尽くしても報いやしねぇ奴に誰が従い続けるよ…誰のおかげ?それは今の国王陛下みたいに…渡すもの渡してから言うんだったな!
(おろおろ…)お、お二人とも喧嘩はお止しになって…。ね?
けっ…!何を言おうがお前ら二人はもう、ただの国王陛下からの俺達への賜りものだ。
それじゃ、前の国王の時だったら絶対に味わえなかったその身体…有り難く頂かせて貰うとしようかっ!
あ…あぁっ。痛いです…苦しいです…っ。助けてくださいませ…お父様…っ!
ひっ…姫様…っ!